TOKYO IPO スマホ版はこちら
TOKYO IPOTOKYO IPOは新規上場企業の情報を個人投資家に提供します。



IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。

メールマガジン登録無料


開示速報検索サービス 登録無料!

米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年2月22日(水)
【PR】
【PR】
【PR】
連休が明けた今日の米国株式は、ギリシャ支援合意からこれを好感して買われて始まり、ダウは、一時、3年9ヶ月ぶりに13,000ドルの大台を回復しました。終値は、12,965.69ドルとなりましたが、なかなかの強い地合いぶり、東京市場にも良い影響が期待できるセンチメントです。

ただし、原油高や欧州危機の根が深いことを考えると、楽観ばかりしていられない状況です。

さて、前回は、フェイスブックのIPOの話題に触れましたが、タイム誌を読んでいて、おもしろい記事が目にとまりました。フェイスブックのトップ5人のフェイスブックの持株が、いくらの評価になるかという憶測記事です。

トップのマーク・ザッカーバーグ氏は、約2.15兆円、COO以下他の4名で、約2,700億円となり、合計で、約2.4兆円もの個人資産になるという試算です。

この金額のイメージはなかなかつかみにくいですが、今話題の大阪市の橋下市長が発表した歳入歳出均衡予算が、1.7兆円という規模でしたので、この5人の株式資産で、大阪市の一年分の繰り回しができるような規模に匹敵するというわけです。また、同誌によると、この5名の年間報酬は、約65億円とのことです。これは、2010年の、日本の上場企業高額所得経営者トップ約12名の総額でようやく釣合う金額です。

フェイスブックのIPOの規模ゆえの資産額ですが、多くのフェイスブックユーザーが低い報酬のパート職に甘んじている現実を考えると、その格差にはつらいものがあります。

先日、オバマ米大統領は、ワシントン市内での礼拝集会でのスピーチで、「富裕層増税で低・中間所得層への公平な経済機会を提供するという政策は、キリスト教の信仰と価値観に根差しているものだ」と、説明し理解を求めました。

大統領は「信仰と、その価値観が自分の日々の決断に大きな役割を果たしている」とし、毎朝起床時の祈りを欠かすことはなく、キリスト教の価値観を大統領職務の遂行に大いに役立てていると公にしました。また、大統領の政策の根幹である富裕層への増税については、「多くを与えられた者は多く求められる」と、ルカによる福音書12章48節を引用し、大統領の経済政策の正当性を訴えました。

毎週全米で進行中の共和党大統領予備選挙では、オバマ大統領のこの様な政策に対する反論が繰り広げられていますが、ここまで格差が長期的に拡大すると、もはや、健全な議論の対立という民主主義的な土俵を超えて、いわゆるドグマ的な意見交戦、階級闘争の色彩を帯びています。

ルカ書では、上記の48節のあとには、主の言葉として、「私がこの地上に平和をもたらすためにきたと思っているのか、あなたがたに言っておく。そうではない。むしろ分裂である」(51節)と記され、父子、母娘、そして、嫁しゅうとめなど幾多の対立の発生が列挙されています。

オバマ大統領が引用した一節以降の聖書は、現実の米国に照らしてみると皮肉な展開だといわざるを得ません。ルカ書に記されている様な対立の泥沼にならないことを祈りたいと思っています。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


Copyright (c) 1999-2025Tokyo IPO. All rights Reserved.