![](/image/column_l_img01.gif)
![](/image/column_l_img05.gif)
IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
![開示速報検索サービス 登録無料!](/image/tactix_02.gif)
|
|
|
米国の株式市場は、今日も下げてはいるものの、ダウは13,000ドル台を維持しています。先行きの不透明感がぬぐえないものの、この水準が維持されているのはありがたいところです。恐怖指数は落ち着いていますが、罫線的にはそろそろ平穏さを破る可能性もあり、気が抜けません。
日本では爆弾低気圧が通過、各地で被害がでているようですが、ここ南部でも超大型爆弾低気圧が通過中で、市内各地で竜巻が発生、ベースボール大の雹(というか氷の塊)を降らせており、当面外にでられそうにありません。空は暗雲が垂れ込めまさに漆黒の天、竜巻警報のサイレンが鳴り響き、まさに空恐ろしい雰囲気です。
さて、昨日は、IPOを果たして投資家から熱い期待を浴び、時価総額が約7800億円もある協同購入クーポンサイト最大手のグルーポン社がショッキングな発表を行い、マーケットに衝撃が走りました。グルーポン社の会計に重大な誤りがあったというもので、2011年10−12月(第4四半期)の決算を大幅修正、上場後初決算である同期売上高は約403億円(4億9,220万ドル)と、当初発表を約11.4億円(1,430万ドル)下回り、赤字幅が大きくなるという修正リリースでした。
具体的には、旅行のチケットや視力改善の手術など、高額な商品のクーポンに関して、そのサービスなどに不満だった顧客からの払戻請求金が、決算での見込処理対応金額を大幅に上回ったことによるものだ、ということのようです。
このような、決算上の重要な発表は、グルーポン社の経営そのものに対する信頼性を損なうことにつながりかねません。特に、今回の発表では、「会計管理に重大な弱点があり、この対応にどれほどの時間がかかるのか今の時点では見通しが立っていない」との説明が付されており、問題対応が容易でないことが明らかになる異例なケースで、一層深刻に捕らえられています。
同社の監査法人に対しても、IPOの準備過程でなぜ十分な会計監査を行えなかったのか、このような新しいビジネスモデルの会計対応を適切に構築させずに、なぜ、株式公開が妥当と判断したのか、など、早くも様々な疑問が激しく投げかけられています。
昨年6月の上場申請以来、同社は監督当局の指導を受けて営業利益の算出方法を変更した他、2010年の決算も修正するなど、適切な決算報告を行なうための試行錯誤を強いられています。
しかし、今回の修正は、公開企業となったにもかかわらず同社の決算基準が固まっていないことが明らかとなって、投資家に、同社経営上の根本的不安要素をさらけ出しました。
上場準備の過程で、なぜ、監査法人がこのような根本的問題を指摘しその適切な対応を施せなかったのか、いささか腑に落ちませんが、「事業が急成長し過ぎて、資金繰りや会計面の対応が、事業のスピードに適切に対応できていなかった」という発表の裏には、とにかく、上場を急ごうとした会社側の拙速な動きがあったのではないかと、疑わざるを得ません。
米国の株式公開企業は、SOX(サーベンス・オックスレー)法上、十分な内部統制体制を具備する必要があり管理体制に「重大な弱点」があることは本来許されません。上場後このような管理上の重大な弱点が見つかる企業が出てくるようでは、上場審査の手続きの再検証など、今後、米国市場でのIPOの動きに影響を与えることが懸念され、本件の速やかな調査と対応が望まれます。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
|
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
|
|
|