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マーケットは相変わらず自信なげな動きながら、今日火曜日の米国株式相場は、5月の米製造業受注が予想を上回ったことを好感して上伸しました。ダウ平均は弱含みで寄り付いたあと、欧州中央銀行(ECB)による利下げへの期待などから反転し、米製造業受注データの発表後には一段と高くなりました。その後は意外にもしっかりと推移して、12,943.82ドルという高値圏で終わりました。出張続きでこのコラムをお休みしていましたが、この間、しっかりとした水準を維持してはいますが、基本的に確信的に強気になれる材料はなく、欧州問題が根本的解決からは程遠い状況下、依然としてリスクオフの状況は続いていると考えています。
さて、前回、米連邦準備制度理事会(FRB)から発表された消費者財務調査の結果のサマリーについて紹介しました。今回は、米国の今後の景気を占う上で基本的に重要な材料でもあることから、もう少し、深掘りしてみたいと思います。
2007年〜2010年の資産の推移は、中央値で−19.3%($23万2千ドルから$18万7千ドルへの減少)、平均値は、−12.8%($70万2千ドルから61万2千ドルに減少)となっています。特にミドルインカム層の資産の大半は住宅で住宅ローンの負担も大きく、とても苦しい状況です。
金融資産と非金融資産別で見てみると、非金融資産が不動産価格と個人事業価値の下落により大幅な減少、また、総資産に占める未実現利益(含み益)の割合も2007年36.1%から2010年24.5%へと大きく減少、不動産価格と個人事業価値の下落に起因するものだと見られています。
一方、負債については2007年から2010年にかけて−2.1%と、小幅の減少に留まり資産比の負債割合はかえって上昇、未だ苦しい負債状況が明らかとなっています。このような実情では、低金利政策は必然の政策だといえます。
このような資産、負債の状況で、2007年〜2010年の米国家計の純資産は、中央値で−38.8%、平均値は−14.7%と、大幅な減少となりました。この大きな要因は、上記のとおり住宅価格と個人事業価値の下落によるものとなっています。
中央値の下落幅が大きいことは、住宅価格の暴落によって大きく影響を受けた、資産は住宅以外にない中間層の落ち込みが大きいためと思われます。特に、持ち家層の純資産下落率は−29.1%と、賃貸家族の−5.6%に比べてとても大きく、住宅価格の下落がいかに大きな影響を与えているか示しています。
一方、フロー面を見てみましょう。2007年〜2010年の米国家計収入は、中央値で−7.7%、平均値は−11.1%と、大きく減少。大きな特徴としては、収入構成のうち、キャピタルゲインの割合が6.7%から0.9%に大きく減少し、賃金の重みが64.5%から68.1%へと増す形になっています。この調査では、年齢や家族構成、教育、人種、職業、持ち家の有無など、あらゆる角度からデータ分析を行われていますが、2010年の収入は2007年に比べ、どの角度から見ても、おしなべて減少しています。
フロー面でも、実質所得は7.7%もの減少。このコラムでも今まで何度も指摘してきたとおり、全く改善しない消費者の懐事情はとても厳しく、 資産価値劣化が響いている状況は、米国経済の先行きへの大きな警戒信号となっています、今後、適切な金融政策への期待が続きそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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