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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年7月11日(水)
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米国の株式市場はますます勢いを失っています。リスクオフ、つまりリスクテイクする行き場がなく、債券などに資金回避する動きのみという状況です。米国株式は、世界的な景気減速による米国の企業業績への懸念などが高まり、ダウ工業は前日終値比83.17ドル安の12,653.12ドルと、4日もの続落となりました。

前日発表された米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・ディバイシズ(AMD)が、中国や欧州の販売低迷により四半期の売上高を下方修正したことや、半導体装置大手のアプライド・マテリアルズがアナリスト予想を下回る決算見通しを発表するなど、世界的な景気減速に伴う米企業業績の下振れが今後も増えることが意識され、リスクを取れる状況ではありません。

今後、まだまだ企業業績の低迷予想を反映して売り込まれていくことは間違いなく、当面、投資家の市場からの回避行動は続くと考えられ、12,000ドルの半ばを維持してきたダウの水準は持ちこたえられず、大きく下落する可能性が高まっています。

米国の景気回復期待が裏切られ、新興国の成長も息切れするなど、ファンダメンタルズはとても弱く、そこへ欧州での大きなショックが加わればさらにつるべ落としのようになるという、リーマンショックに次ぐような規模の水準訂正が近くあっても不思議ではありません。

このコラムを始めた時リーマンショックを「(ハイレバレッジ)というジェットコースターが急降下した恐怖」のようだと例えましたが、今のような不安材料ばかりの状況は「ジェットコースターの先のレールがなくなった」ような感じとでも言えるでしょうか、なかなかの怖い状況です。

米国の景気回復、新興国の成長など、今後目先にあると思っていたレールが実はなくなって、すぐにも脱線転覆するしかないかもしれないという感じは、実に恐ろしいものです。

南米の新興国ブラジルをみると、景気減速をひしひしと感じます。今まで建築中に完売だったマンションの売れ行きも、相当悪くなっています。ワールドカップやオリンピックなどを控えながら急減速している景気には驚きを禁じ得ませんが、欧州問題だけではなく、この巨大な資源国を潤わせてきた中国経済が減速していることも影響しているのでしょう。

思えば、今日は、金融危機後のあの頃を思い出させるニュースがありました。

自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、新車を買ってから60日以内であれば、何のペナルティーもなく無料で返品できるというキャンペーンを始めることを発表しました。いわば「試し乗り」を2ヶ月もできるということをメリットに、日本車や韓国車のユーザーから顧客を少しでも取り戻そうという狙いでしょう。

GMは、金融危機後の破産法適用申請後にもこのような販売促進キャンペーンをしていたのを思い出しました。あの頃は、「1台買うと、もう2台目は無料」というキャンペーンをしていたトラックメーカーもありましたが。

景気の減速感が明らかとなって雇用回復など期待できそうにもありません。大統領候補もますます即効性ある景気回復策をどのように明確に打ち出せるのか、注目されるところです。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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