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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年7月25日(水)
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今日の米国株式相場は、米大手企業のさえない業績見通しが相次いだことや、欧州債務問題が深刻化していることから、ダウは前日終値比104.14ドル安い、12,617.32ドルと、3営業日連続の大きな下落となりました。

米国の経済活動全体を反映する銘柄である宅配大手のユナイテッド・パーセル・サービスは、朝方の発表で、「景気の先行きが不透明で、通年の利益見通しを引き下げる」ことを明らかにしたため、市場にはこれを嫌気し不安感が高まりました。ここまでの下げの過程でこのような業績下振れ懸念は織り込まれてきただろうという見方もありましたが、まだ相場は下げてきました。

しかも、夕方に期待されていたアップルの4〜6月期の売上高発表も、好決算内容ではあったものの、内容的には「iPhone」の販売に陰りを思わせるものであったため、株価は時間外取引で終値比から5%以上も下落しています。「iPod」も10%減の680万台という販売状況で、強い成長の勢いを維持してきたアップルも楽観視できない状況であることがわかりました。

このような悪材料ばかりの状況では、米連邦準備制度理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で新たな景気刺激策を発表してくれることを期待するしかありません。

4〜6月の米実質GDP(国内総生産)速報値も前期比1.5%増程度だと見込まれており、前四半期からの減速は明らかです。雇用指標も不調、個人消費支出も横ばい程度、小売売上高は前月比減と経済の大きな部分を占める個人消費も大きく低迷しています。欧州は危機的状況、新興国も経済減速が如実となり、このように米国の国内状況も弱い現状では、今後当面は経済成長を期待できない状況が続くと考えざるを得ません。

日本の株式市場も冴えないままですが、これは、日本という国の競争力の低下という大きな問題が根本にあり、米国と同一視できないとは思いますが、低成長経済下の米国では、今後当面、株主はどのような投資スタンスを取っていくべきなのでしょうか。

あらゆる業界において明らかな成長戦略が描けない状況で、米国企業の多くは、合理化努力や運転資金の見直しなどによって、キャッシュポジションを高めています。このキャッシュは、本来は企業買収などに投資して、さらにリターンを高めていくべきものですが、「戦略像と投資効果の期待なき買収なし」ということで、結果として、手許現金が積みあがっている状況です。

そこでの株主還元施策は、増配や自社株買いです。アップルも先日ようやく配当を決めました。

今の米国株式市場では、株価の下落もあっていわゆる配当利回りが5%以上となっている株式銘柄は数多とあります。10%以上という銘柄も結構な数に上り、30年国債が2.45%の市場では、配当利回りは税効果を鑑みると相当魅力があるという状況です。もちろん、配当利回りの上昇は株価の下落も起因していますので、相当注意して内容を吟味する必要があります。しかし、銘柄をじっくり選別すれば妙味ある配当を得ることができる楽しみは増えており、さらに買収や成長の潜在性を発見できれば、なお楽しみが増えるという環境です。

配当継続の可能性と銘柄の確かさをと見極め投資リターンを上げていく、しっかりとした選別の眼さえあれば、好利回りの楽しみをじっくりと追求できる環境なのかもしれません。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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