TOKYO IPO スマホ版はこちら
TOKYO IPOTOKYO IPOは新規上場企業の情報を個人投資家に提供します。



IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。

メールマガジン登録無料


開示速報検索サービス 登録無料!

米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年8月29日(水)
【PR】
【PR】
【PR】
今日の米国株式相場は、方向感のない景気指標を受けて小動きのまま終始しました。ダウは前日終値比21.68ドル安の13,102.99ドルと小幅下げて取引を終えました。

前記のとおり、方向感なくまだら模様の景気感です。8月の消費者信頼感指数は9ヶ月ぶりの低い水準でしたが、6月の大都市住宅価格指数は上昇、持続的に回復しているかのような印象を与えました。例年恒例の美しい保養地ジャクソンホールで行われる会議で、連邦準備制度理事会(FRB)バーナンキ議長がどんな発言をするかに市場の注目が集まっており、追加金融緩和策発表の有無がわかるまでは、小幅の値動きのまま続くものと思われます。

さて、11月の大統領選を控えて、共和党全国大会が開催されました。ハリケーンの襲来もあって、日程は変則になりそうですが、大統領候補のロムニー氏と副大統領候補で42歳のエネルギッシュさが好感されているライアン下院予算委員長がどんなアピールをするのかが焦点です。

共和党としては、過去四年間の民主党政権から大きく舵を切り、経済と軍事の両面にわたって「強い米国」を再生することを目指しています。ロムニー氏とライアン氏は、この党綱領の実現に向けて力強くアピールすることでしょう。

どこかの国ではマニフェストを反故にした政権与党がありましたが、米国では党綱領は大統領選や上下両院選挙での絶対的な公約で、軽々しく扱えるものではありません。「大きく肥大化しすぎた連邦機関の機能を、徹底して見直す」と、行財政改革への真剣な取り組み姿勢を全面的に強調し、この実現なくして、経済再建は不可能だという大方針を設定しています。

日本では影を潜めてしまいましたが「規制緩和の推進による、民間主導の自律的景気回復」という大方針も再認識されることでしょう。環太平洋連携協定(TPP)の推進についても、積極的に打ち出されるはずです。

オバマ大統領が精魂を込めて成立させた医療保険改革法については、その当時の論戦でライアン氏は厳しく批判の論陣を張っていましたが、今後は、その医療保険改革制度の撤廃を明確に掲げていくものと思われます。

また、中国やロシアなどの核大国への対抗策、北朝鮮やイランの核開発問題への対処などを考えると、「強い米国」を実現し、その根幹を揺るがさないためには、国防費の削減をどこまで打ち出せるのかが注目されるところです。

オバマ大統領就任以降、結局この4年間で大きな景気回復の実現が不可能だったことから、あらゆる面で米国の自信を取り戻すのだという決意あふれる方向性は、その訴え方が過度に保守的にならない限り、広く国民にアピールできる素地はあるものと思います。

もし、政権交代が起こり、政策が大きく舵を切られるとき、さて、日本にはそれにうまく対応していく器用さはあるでしょうか。日本の政局の行方もなかなか見えませんが、政府に頼らず、民間、官僚レベルでは、早く、米国の「次のカタチ」を見越した手を打っていくインテリジェンス活動が必要なのかも知れません。次期タームを「日米関係の失われた4年間」としないためにも。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


Copyright (c) 1999-2025Tokyo IPO. All rights Reserved.