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米国に戻り私としてはようやく仕事のペースが戻ってきました。今日も活況を呈したマーケットを追いかけ、一日の市場データの画面に目をやりながら、これを書いています。
振り返れば、3月は、市場の勢いは止まりませんでした。
4月に入って今日も米国の株式相場は、経済指標を好感して、ダウで14, 662.01ドルと、3月28日につけた、過去最高値を更新して取引を終えました。
米国の最も小さな州のGDP程度の規模でしかないキプロス情勢など大した問題ではないとばかりに、問題沈静化後は、大商いが続き買い優勢の勢いは止まりません。バリュエーション的には、まだ高値警戒すべき水準ではないとは思いますが、ここまで来ると今後当面は企業業績に一喜一憂する地合いとなると思われます。
さて、先日は、イースター(復活祭)でした。NYではまだまだ肌寒い感じでしたが、それでもゴルフ場がオープンするなど、子供ならずとも大人も春への期待が高まった週末でした。景気判断的には、3月のショッピング動向が注目されていましたが、今日発表されたレッドブック指標では、3月の小売売上高は、前年同月比で3.0%の増加と着実な改善を示しています。イースター関連で、子ども向けの服飾などが売れたことが寄与したようです。
このように市場は活況を呈し、NYの街中では昼も夜も一流のレストランやクラブは、予約客でとても賑わっています。ランチセット最低5,000円からという寿司店も、予約なしでは入れないという満員御礼状況です。金融機関では、未だに大幅な人員削減や部門閉鎖を手を緩めずに続けている中、クビがつながりボーナスをもらった人たちが、いつまた終わるかもしれないこのブルマーケットを横臥しているのは、あたりまえの風景かもしれません。
しかし、この状況がいつまで続くのか。いわゆる「好事魔多し」という状況に、早晩、陥るのではないか。これは、金融危機の記憶が未だに消えない私にとっては、たえず反芻している疑問ですが、とりあえずは市場の波に乗っておかなければ収益はなく、このマーケット・サーフィンからいつ降りるのか、今は、ボードの上から波をしっかりと見ている状況です。波に飲み込まれて溺れるのはたまりませんから。
今の怖さの基本にあるもの、それは、どのマーケットにおいても、中央銀行が潤沢に流動性を供給し、金融刺激策の効果が確認できるまで「何でもやる」という姿勢に立っていることです。
いまや、新日銀総裁までもがその姿勢を明らかにしましたが、教条的で全体感の見えなかった前総裁の反面教師としては良いとはしても、以前から金融緩和を続けてきた米国での経済効果の弱さを考えると、結局は市場を躍らせるだけとなり、その後は「経済効果期待の宴に疲れた市場の蹉跌」が襲うのではないかという不安が、頭から消えません。
その不安がもう少し確かになるまでは市場の波からは降りられないのも事実で、収益とリスクコントロールのバランスに悩まされる状況は当面続きそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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